6月6日(火)、有限会社人事・労務(東京都台東区松が谷)にて、ChatWork株式会社西澤氏(同社セールス&マーケティング部)と株式会社マネーフォワード 柏木氏(同社営業PR担当)、そして矢萩大輔(有限会社人事・労務代表取締役)の三者を交え「中小企業の未来の組織の在り方と社会保険労務士の役割」について対談しました。司会は、有限会社人事労務チーフコンサルタントの畑中義雄が執り行いました。

まず、今までの社労士業界がどういうものだったか、今どういう分岐点にきているのかについて、社労士事務所を開業して20年(1995年開業)以上経つ、有限会社人事・労務の矢萩大輔は当時を振り返りました。
「当時は、手続きは行政にわざわざ出向いてハンコをもらい、企業に出向いてを繰り返すしてきた。給与計算について「きれいな明細が出ますよ」と当時はフロッピーディスクのさし方もわからない周囲に先んじてwindows95を取り入れ、アンテナの高い進んだ会社の社長とともに仕事をしてきた。2000年を迎えて電子申請が始まり、社労士会の普及率は40~50%というところではあるが、これからはどんどん電子化が進んでいくだろう。マイナンバーの導入も相まって、これからは手続きと会計、給与計算、勤怠管理等が全部つながっていく」、と有限会社人事・労務の矢萩代表は語りました。
また、労務と人事についても、年功序列型の人事制度から大企業で能力主義型の人事制度が社会の風潮となっているなか、人事のなかにES(従業員満足)というものを先駆けてやってきた。人事制度の問題と働き方改革の問題、はすごく密接に関わっていて、これからは、クレドというような会社の一つの価値観を共有しながら現場主義で動いていく流れができていく。個人起点のチームの在り方が重要、一つのプロジェクトから会社にイノベーションを起こしていく視点で社労士も取り組む必要がある、とも述べました。

対して、オフィスには引き出しがない、プリンターや紙がない、といった文化が当たり前(これは筆者としては先進的だと感じるのですが)ChatWork株式会社の西澤氏からは、やはり社労士含め士業全体の印象は「紙」のイメージが強い、といいます。給与、会計のクラウドソフトを提供する株式会社マネーフォワードの柏木氏も、同じく士業の印象は「紙」媒体の印象が強く、事務所にファクスがそもそもないことが普段の光景であるIT業界との違いを指摘されました。先進的なオフィスの在り方や、全社員副業オーケー、女性活躍にも力を入れ多様な働き方を実践する企業に属する西澤氏柏木氏両名と対談を交え、社労士はどうあるべきか。まず、彼らの社労士に対する印象を伺ってみました。
両名とも、やはり社会保険労務士には「紙」のイメージを強くもっているなか、彼らは同時に「人財に対するプロ」という認識ももっていました。すなわち、人事や労務に関するコンサルとしての社会保険労務士です。

「中小企業やわれわれの働き方の一つとしても、軸としては誰がやっても同じアウトプットになり得るものは、機械とかITに任せてしまおう。誰がやっても同じにならないコンサルティングの部分、いわゆるアウトプットが変わってくるものは”人”がやっていこう。要するに餅は餅屋。得意なものは得意なものに任せようと。」柏木氏は述べました。
また、西澤氏も「働き方改革という文脈が、世の中の時流であります。実際に少子高齢化の中で、業務効率化、生産性の増大にどうしても取り組まざるを得ない。働き方改革をなすためにはルールとツール、その2つが必要だと考えます。われわれはあくまでもツールでしかない。ツールは提供できます。もちろんツールを使うためのノウハウという部分で、若干のルールはご提案とかご提供できるのですけれども、そこのルールづくりはもう完全に社労士さんのほうがプロですよね。だからこそ一緒に。」と同調されました。

日本の企業群の99%が中小企業。日本を元気にしようとか中小企業をいかに元気にしていくかということを考えたとき、社労士がルールづくりや新しい会社づくりといったところで社会保険労務士は役割を担っている。「そこのルールづくりはぜひプロとしてお願いしたい」ところがある。「ツールの一つとしてお役立ちができるので、ぜひわれわれを。」
この点、有限会社人事労務代表の矢萩も、API連携、そこで生態系のようなもの(エコ・システム)をつくり、そこで新しい価値をつくっていくことはとても重要だと力説しました。社会保険労務士が働き方改革を担っていくのであれば、やはり積極的に使ってみるべきであると。また、企業にも怖がらずに勧めていかなければいけないと。
ルールの部分でも、効率化すべきところは効率化して、アナログでやらなければいけないところは面と向かって目標面談をしたり対話の時間を取ったり、そういった人間性を発揮すべきところの時間をもっと多く取っていくべきだ、と、業務のアウトソーシングや外部との連携がなぜ重要なのかについて述べました。

最後に、三者が考えるこれからの中小企業と士業の在り方について語り合いました。
社労士の矢萩からは、これからの社労士の未来像。まずはイノベーションという視点について様々なクラウドからの情報を見える化し、社内のメンバーが組織の状態を共有し、イノベーションが起き続ける組織づくりのサポートを私たち社会保険労務士が担うというサービスが生まれてくる、と提言しました。例えば「lino」というツールでメンバーたちが、どんどん気付いたことを日々出していき新しいビジネスモデルにつなげる、というのが一つ。目標会議では、「ガンバ」というシステムを使って、目標を全員が共有し、誰がどんな目標を持っていて、その目標に向かって日々どう動いているか見えるようにする。いちいち人事考課をしなくても、誰が一生懸命目標に向かって動いているかが分かってくるわけで、いままでの紙で上司と部下が承認し毎月一回フィードバックの時間をわざわざ持つという手間をかけなくても、”リアル”に、目標について話し合うことが出来るということです。
最終的には、「これらAPI連携を踏まえ会社の売り上げ利益、総労働時間のデータを連携させていくことにより、さまざまなツールから算定した指数を用い、最終的には会社の未来指数やイノベーション指数といったものを掛け合わせて、どのぐらい『持続可能な経営になっているのか』というのを出せる”ツール”を開発できればいいのかなと思っています。」「今、何社か実験をしている」と今後の方向性を力説しました。

取り扱うサービスやモノは違えど、同じく社会に働く力を増量することをミッションとした会社同士、お互いの強みを把握し連携し、新たなイノベーションを起こし、普及する。その重要性や今後の方向性を改めて認識させていただく取材となりました。

http://hatarakuba.com/wp-content/uploads/2017/06/DSC02230-1024x768.jpghttp://hatarakuba.com/wp-content/uploads/2017/06/DSC02230-150x150.jpghatarakuba最新記事進化する組織6月6日(火)、有限会社人事・労務(東京都台東区松が谷)にて、ChatWork株式会社西澤氏(同社セールス&マーケティング部)と株式会社マネーフォワード 柏木氏(同社営業PR担当)、そして矢萩大輔(有限会社人事・労務代表取締役)の三者を交え「中小企業の未来の組織の在り方と社会保険労務士の役割」について対談しました。司会は、有限会社人事労務チーフコンサルタントの畑中義雄が執り行いました。 まず、今までの社労士業界がどういうものだったか、今どういう分岐点にきているのかについて、社労士事務所を開業して20年(1995年開業)以上経つ、有限会社人事・労務の矢萩大輔は当時を振り返りました。 「当時は、手続きは行政にわざわざ出向いてハンコをもらい、企業に出向いてを繰り返すしてきた。給与計算について「きれいな明細が出ますよ」と当時はフロッピーディスクのさし方もわからない周囲に先んじてwindows95を取り入れ、アンテナの高い進んだ会社の社長とともに仕事をしてきた。2000年を迎えて電子申請が始まり、社労士会の普及率は40~50%というところではあるが、これからはどんどん電子化が進んでいくだろう。マイナンバーの導入も相まって、これからは手続きと会計、給与計算、勤怠管理等が全部つながっていく」、と有限会社人事・労務の矢萩代表は語りました。 また、労務と人事についても、年功序列型の人事制度から大企業で能力主義型の人事制度が社会の風潮となっているなか、人事のなかにES(従業員満足)というものを先駆けてやってきた。人事制度の問題と働き方改革の問題、はすごく密接に関わっていて、これからは、クレドというような会社の一つの価値観を共有しながら現場主義で動いていく流れができていく。個人起点のチームの在り方が重要、一つのプロジェクトから会社にイノベーションを起こしていく視点で社労士も取り組む必要がある、とも述べました。 対して、オフィスには引き出しがない、プリンターや紙がない、といった文化が当たり前(これは筆者としては先進的だと感じるのですが)ChatWork株式会社の西澤氏からは、やはり社労士含め士業全体の印象は「紙」のイメージが強い、といいます。給与、会計のクラウドソフトを提供する株式会社マネーフォワードの柏木氏も、同じく士業の印象は「紙」媒体の印象が強く、事務所にファクスがそもそもないことが普段の光景であるIT業界との違いを指摘されました。先進的なオフィスの在り方や、全社員副業オーケー、女性活躍にも力を入れ多様な働き方を実践する企業に属する西澤氏柏木氏両名と対談を交え、社労士はどうあるべきか。まず、彼らの社労士に対する印象を伺ってみました。 両名とも、やはり社会保険労務士には「紙」のイメージを強くもっているなか、彼らは同時に「人財に対するプロ」という認識ももっていました。すなわち、人事や労務に関するコンサルとしての社会保険労務士です。 「中小企業やわれわれの働き方の一つとしても、軸としては誰がやっても同じアウトプットになり得るものは、機械とかITに任せてしまおう。誰がやっても同じにならないコンサルティングの部分、いわゆるアウトプットが変わってくるものは”人”がやっていこう。要するに餅は餅屋。得意なものは得意なものに任せようと。」柏木氏は述べました。 また、西澤氏も「働き方改革という文脈が、世の中の時流であります。実際に少子高齢化の中で、業務効率化、生産性の増大にどうしても取り組まざるを得ない。働き方改革をなすためにはルールとツール、その2つが必要だと考えます。われわれはあくまでもツールでしかない。ツールは提供できます。もちろんツールを使うためのノウハウという部分で、若干のルールはご提案とかご提供できるのですけれども、そこのルールづくりはもう完全に社労士さんのほうがプロですよね。だからこそ一緒に。」と同調されました。 日本の企業群の99%が中小企業。日本を元気にしようとか中小企業をいかに元気にしていくかということを考えたとき、社労士がルールづくりや新しい会社づくりといったところで社会保険労務士は役割を担っている。「そこのルールづくりはぜひプロとしてお願いしたい」ところがある。「ツールの一つとしてお役立ちができるので、ぜひわれわれを。」 この点、有限会社人事労務代表の矢萩も、API連携、そこで生態系のようなもの(エコ・システム)をつくり、そこで新しい価値をつくっていくことはとても重要だと力説しました。社会保険労務士が働き方改革を担っていくのであれば、やはり積極的に使ってみるべきであると。また、企業にも怖がらずに勧めていかなければいけないと。 ルールの部分でも、効率化すべきところは効率化して、アナログでやらなければいけないところは面と向かって目標面談をしたり対話の時間を取ったり、そういった人間性を発揮すべきところの時間をもっと多く取っていくべきだ、と、業務のアウトソーシングや外部との連携がなぜ重要なのかについて述べました。 最後に、三者が考えるこれからの中小企業と士業の在り方について語り合いました。 社労士の矢萩からは、これからの社労士の未来像。まずはイノベーションという視点について様々なクラウドからの情報を見える化し、社内のメンバーが組織の状態を共有し、イノベーションが起き続ける組織づくりのサポートを私たち社会保険労務士が担うというサービスが生まれてくる、と提言しました。例えば「lino」というツールでメンバーたちが、どんどん気付いたことを日々出していき新しいビジネスモデルにつなげる、というのが一つ。目標会議では、「ガンバ」というシステムを使って、目標を全員が共有し、誰がどんな目標を持っていて、その目標に向かって日々どう動いているか見えるようにする。いちいち人事考課をしなくても、誰が一生懸命目標に向かって動いているかが分かってくるわけで、いままでの紙で上司と部下が承認し毎月一回フィードバックの時間をわざわざ持つという手間をかけなくても、”リアル”に、目標について話し合うことが出来るということです。 最終的には、「これらAPI連携を踏まえ会社の売り上げ利益、総労働時間のデータを連携させていくことにより、さまざまなツールから算定した指数を用い、最終的には会社の未来指数やイノベーション指数といったものを掛け合わせて、どのぐらい『持続可能な経営になっているのか』というのを出せる”ツール”を開発できればいいのかなと思っています。」「今、何社か実験をしている」と今後の方向性を力説しました。 取り扱うサービスやモノは違えど、同じく社会に働く力を増量することをミッションとした会社同士、お互いの強みを把握し連携し、新たなイノベーションを起こし、普及する。その重要性や今後の方向性を改めて認識させていただく取材となりました。つながりの中で 自分らしい 新しいはたらくカタチ の実現を後押しする情報サイト