5月29日「非正規社員の定着戦略化セミナー」と題したオンラインセミナーの第8回を配信しました。第8回のテーマは「働き方改革を推し進める上で活用できる助成金制度」です。今回のセミナーでは、有期労働契約の無期契約転換に際しての助成金活用及び限定正社員制度を導入に際しての助成金活用について解説しています。講師は、人事労務のコンサルタント松本 健吾が務めました。


第1回から前回の講義に至るまで、「非正規社員の定着戦力化」「働き方改革」をテーマに法改正から組織作りまで、非正規社員の多様な働き方を推進するために、様々な切り口から講義を開催してきました。

近年、労働人口は少子高齢化等により減少の一途をたどり、非正規社員の割合は全体で4割近くまで昇る中、企業が非正規社員一人一人に求めることに変化が出ています。具体的には、10年前は正規社員の手の回らない仕事をやるのが主だったのが、現状、正社員と同じように責任をもって成長意欲をもって働いてほしいとの要望が強く出ています。

対して、次回契約更新に対する不安など、非正規社員は一人一人の様々な不安(雇い止め等)を抱えています。その解消の為にも、非正規社員の戦力化が望まれる状況で、不安要素を少しでも取り除き、満足感を持って働いてもらうために、今回の講義では二つの助成金制度を紹介させていただきました。
一つ目はキャリアアップ助成金です。
この助成金制度は、会社の取り組みに応じて8つのコースに分かれています。今回は非正規社員の定着戦力化セミナーということで、特に正社員化コースをピックアップし紹介させていただきました。

有期契約労働者を無期契約労働者又は正規社員にしようと取り組む企業に対して、支給されるものです。中小企業であれば、一人当たり最高で57万円、さらに要件を満たせば72万円を支給されます。

要件について、事業主側の主な要件は4つあります。

①雇用保険適用事業所であること
②雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いていること
③雇用保険適用事業所ごとに対象労働者に対して、キャリアアップ計画書を作成し、労働局長の受給資格に認定を受けたこと
④キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主であること

従業員側の要件は、主に4つあります。
①通算して6カ月以上雇用されている有期雇用等の従業員の方
②正規雇用を約束して愛用した有期雇用の従業員の方ではないこと
③正規雇用等に転換日または直接雇用日の前日から過去3年以内に、その会社で正規雇用や無期雇用などで雇用されていないこと
④助成金の支給申請日に離職していないこと

現状、前回までの講義の通り、労働契約の無期転換等、有期契約社員を無期契約社員に変える流れがあります。その流れの中、上記要件を満たすことで、非正規社員を戦力化し、会社に定着させるべく様々な施策を実施していくなかで、その施策を政府から助成を得ながら行っていくことができるのです。

二つ目は人事評価改善等助成金です。
限定正社員制度等これから、新しい働き方をする社員が増えることで企業としては、彼らがやりがいをもって働き、会社に貢献できるルール作りが必須となります。
その際に、会社に一定の評価制度とそれに基づく賃金制度を整えることで、50万円、生産性向上・離職率低下・賃金上昇等の目標を達成すれば、追加で80万円の助成金を得られます。

これまで全8回で、非正規社員の定着戦力化セミナーと題して、いかに非正規社員を会社の戦力化し定着させるか、その方法について、解説してきました。
講義を聞いて、非正規社員の働き方や制度、助成金などの活用について、少しでも企業のお役に立つことが出来ましたら幸いです。
本セミナーは今回で最終回となります。現在、第2クールが同じくオンラインで開催されています。ご期待ください。

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https://hatarakuba.com/wp-content/uploads/2017/05/18789762_1208014999325716_1097265671_o.jpghttps://hatarakuba.com/wp-content/uploads/2017/05/18789762_1208014999325716_1097265671_o-150x150.jpghatarakuba最新記事進化する組織5月29日「非正規社員の定着戦略化セミナー」と題したオンラインセミナーの第8回を配信しました。第8回のテーマは「働き方改革を推し進める上で活用できる助成金制度」です。今回のセミナーでは、有期労働契約の無期契約転換に際しての助成金活用及び限定正社員制度を導入に際しての助成金活用について解説しています。講師は、人事労務のコンサルタント松本 健吾が務めました。 第1回から前回の講義に至るまで、「非正規社員の定着戦力化」「働き方改革」をテーマに法改正から組織作りまで、非正規社員の多様な働き方を推進するために、様々な切り口から講義を開催してきました。 近年、労働人口は少子高齢化等により減少の一途をたどり、非正規社員の割合は全体で4割近くまで昇る中、企業が非正規社員一人一人に求めることに変化が出ています。具体的には、10年前は正規社員の手の回らない仕事をやるのが主だったのが、現状、正社員と同じように責任をもって成長意欲をもって働いてほしいとの要望が強く出ています。 対して、次回契約更新に対する不安など、非正規社員は一人一人の様々な不安(雇い止め等)を抱えています。その解消の為にも、非正規社員の戦力化が望まれる状況で、不安要素を少しでも取り除き、満足感を持って働いてもらうために、今回の講義では二つの助成金制度を紹介させていただきました。 一つ目はキャリアアップ助成金です。 この助成金制度は、会社の取り組みに応じて8つのコースに分かれています。今回は非正規社員の定着戦力化セミナーということで、特に正社員化コースをピックアップし紹介させていただきました。 有期契約労働者を無期契約労働者又は正規社員にしようと取り組む企業に対して、支給されるものです。中小企業であれば、一人当たり最高で57万円、さらに要件を満たせば72万円を支給されます。 要件について、事業主側の主な要件は4つあります。 ①雇用保険適用事業所であること ②雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いていること ③雇用保険適用事業所ごとに対象労働者に対して、キャリアアップ計画書を作成し、労働局長の受給資格に認定を受けたこと ④キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主であること 従業員側の要件は、主に4つあります。 ①通算して6カ月以上雇用されている有期雇用等の従業員の方 ②正規雇用を約束して愛用した有期雇用の従業員の方ではないこと ③正規雇用等に転換日または直接雇用日の前日から過去3年以内に、その会社で正規雇用や無期雇用などで雇用されていないこと ④助成金の支給申請日に離職していないこと 現状、前回までの講義の通り、労働契約の無期転換等、有期契約社員を無期契約社員に変える流れがあります。その流れの中、上記要件を満たすことで、非正規社員を戦力化し、会社に定着させるべく様々な施策を実施していくなかで、その施策を政府から助成を得ながら行っていくことができるのです。 二つ目は人事評価改善等助成金です。 限定正社員制度等これから、新しい働き方をする社員が増えることで企業としては、彼らがやりがいをもって働き、会社に貢献できるルール作りが必須となります。 その際に、会社に一定の評価制度とそれに基づく賃金制度を整えることで、50万円、生産性向上・離職率低下・賃金上昇等の目標を達成すれば、追加で80万円の助成金を得られます。 これまで全8回で、非正規社員の定着戦力化セミナーと題して、いかに非正規社員を会社の戦力化し定着させるか、その方法について、解説してきました。 講義を聞いて、非正規社員の働き方や制度、助成金などの活用について、少しでも企業のお役に立つことが出来ましたら幸いです。 本セミナーは今回で最終回となります。現在、第2クールが同じくオンラインで開催されています。ご期待ください。 詳しくはこちら▼下町の農と食で地域をつなぐ