5年先・10年先・20年先の近い未来。「第4次産業革命」とも叫ばれているAIの出現など変化の大きなこれからの時代、私たち一人ひとりの「はたらく」や社会における会社のあり方は、どのように変化していくのか。何が変わり、何が変わらないのだろうか。

弊社発行の「GATE手帳」を用いて、未来の「はたらく」の変化を見据えた「あなたの働き方改革」をテーマに、横浜市関内にてオーサートークを開催した。

「持つだけで社会とつながるGATE手帳」

長年、横浜市役所ではたらき、現在は一般社団法人永続的成長企業ネットワークの代表、吉田氏は、「地域を愛し、地域から愛される企業」が、永続的成長企業として、これからの変化の激しい時代を生き残っていくのではないかと述べている。横浜は、地域貢献企業政策の先駆けとして、全国的にもいち早く企業と行政が連携して、「経営から見る地域」という、経営資源の一部としての「地域」という関わり方ではなく、「地域を企業から見る」という共生を目指し、取り組んできた。地域貢献企業政策に行政の立場から深くかかわってきた吉田代表は、地域と共に生きる企業とは、地域から愛され地域に必要とされる、永続的成長企業のことだという。

創業から20年後の企業存続率が0.2%、要するに、1000社のうち2社しか残らないという、人間よりも企業の方が寿命が短い時代。吉田代表いわく、創業から20年経つと地域企業から地域貢献企業へと変化し、50年経つと地域に必要とされる永続的成長企業へと変化する。また、創業から100年経つと、「地域が最も誇りに思う」永続企業へと変化する切符(権利)を手に入れるのだという。

大阪にある株式会社金剛組は西暦578年に創業した、世界で最も旧い会社として知られている。実は、バブル崩壊時に倒産の危機にあったらしく、その際に地域の方々がつぶすまいと奮起し、今も存続しているという経緯がある。まさに、永続企業ならではのエピソード。その背景には、地域に対して、謙虚な姿勢で接し、地域のおかげで存在しているという感謝の気持ちを持ち続けている、その心構えがある。

吉田代表は、「謙虚」と「感謝」、まさにこの2つが、これからの未来に向けて、永続企業から学ぶべき、私たち自身のあり方、そして会社のあり方なのだという。

第二部は、吉田代表とNPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ代表の杉浦氏、弊社代表の矢萩を加え、弊社金野がファシリテーターを務めて、パネルディスカッションを実施。

AIの出現など、まさに第4次産業革命といえるような、大きな変化が予測される中で、パネラーはみな共通して、「働き方変革」の必要性を強く感じている。

それぞれの視点から、来たる未来の「はたらく」について、意見を交わし、会場でもそれぞれのグループで活発に意見を交換した。

AIにおいて代表的なもので、「ディープラーニング」という機械学習がある。身近なものでいうと、アマゾンのユーザーごとの「おすすめ商品」を顧客の行動や興味関心から欲しい予測する機能は、ディープラーニングを活用している。

ペッパーくんが道案内をし、お客様のお問合せにワトソンが答える。まちを見渡したり、一日を振り返ってみると、もはやAIは私たちの生活に浸透しているといえる。

吉田代表は、AIが汎用化することによって、行政のおよそ2/3の仕事がなくなるのではないかと予測する。その予測への対策の動きは既に始まっていて、例えば2017年4月1日から、神戸市では公務員の副業が認められ、NPOや地域企業で、給料をもらってはたらくことができるようになる。

これまでは、市民活動に参加することはできても、給料をもらって活動するとなると非常に難しかった。しかし、地域、そして地域市民にとってこれからの「公務員」とはどのような存在であるべきなのかを改めて自己認識し、再設定した。

5年前・10年前・20年前と振り返った時に、変わるものはとことん変わった。しかし、変わらなかったもの、それは血の通った地域の交流ではないだろうか。役所はダメだと役所批判をされてきたが、最近、ようやく神戸市の決断のように、再び地域の中の公務員であるという交流を再び取り戻してきている。まさに、この「地域との血の通った交流」が、これからの時代の地域社会に必要とされる働き方なのでないだろうか。

また、杉浦代表は、これからの時代のキーワードとして「即興(Improvisation)」を掲げた。

これまでは、自分の好き嫌い、良い悪いなど、自分自身の価値観やモノサシで測てモノゴトを断定したり、行動を起こせずにいることが多かった。しかし、これからの変化が大きくてより速い時代では、まずは自分の狭い価値観は置いておいて、即興的にすぐ行動に起こしてみたり、カタチにしてみるという思考が求められる。その即興の中で、誰と、何を生み出すのか、どのようなイノベーションを起こすのか。その前提として、描いている絵(ビジョン)があり、そこに向かっていく仲間とイメージをシェアしながら進めていくことが、いろいろな主体が関わるこれからの多様な地域社会において重要になる。

矢萩は、日本は東京オリンピックの開催される2020年までにGDP600兆円を目指しているが、そのうちの30兆円、つまり5%をAI関連事業によって生み出そうとしていて、それは、労働力人口の5%がAIにとって代わられる危険性があるともいえるのではないかという。

例えば、現在全国に37万人のタクシードライバーがいるが、自動運転システムが一般化することで、この37万人は職を失ってしまう。その中でも、例えば、東京のあるタクシー会社では、「3億円事件ツアー」など、ユニークな企画をたくさん生み出すことで、単なるタクシー会社の枠を超えた。これまでのように「doing」(何をするのか)ではなく、「to be」(どのように在るか)が大切になってくると。つまり、自分・会社のあり方を確立することが大切で、一人ひとりの内面を育てていく試みを企業、地域をあげてやっていくことが必要だ。

また、これからは一つの企業ではたらくのではなく、神戸市の公務員のように、副業を奨励する流れへと変化していくという。国の動きは、企業に対して、パートやアルバイトではたらいている人を、どうにかして生計が立てられるようにしなければならいないと義務付ける方向に向かっている。多様な人財に対して賃金がフラット化していく中で、「ダブルインカム」という考え方が一般的になってきて、いまでは、IT業界を中心に、あえて副業の人を募集する企業まで出てきているという。

また、地銀64行の連携で「地銀人材バンク」が昨年実現した。地銀人材バンクとは、連携している地銀同士であれば、どこの銀行へでも転職することができるという制度で、これまでは結婚して遠くに引っ越したり、親の介護のために地元に帰ったりする場合は、その銀行を辞めざるを得なかったのが、引っ越し先でも銀行員として働き続けたいという希望があれば、それを後押して、働き続けることができるようになったのだ。

矢萩は、最後に、「これからの変化が激しい時代、‟意志力“をどのようにつくっていくのかが重要になってくる」とまとめた。いろんな経験を重ねていき、いろんな人と対話をすることで、自分が好きなAというモノをみんなが好きだというわけではないということや、Aが好きだというのは自分のこだわりだということに気付く。そういうことは自分一人だとわからなくて、仲間がいないと気付いていけない。いろんな人の視点を借りて、内面の見える化を促しながら、徐々「自分は何者なのか」ということを明らかにしていくことで、「感情」と「腹」と「気」の方向が一本になり、その時はじめて強い力を発揮することができる。

変化が激しいこれからの世の中だからこそ、ブレない軸としての「意志力」を持つことが必要になってくる。

今回のオーサートークのテーマ本「持つだけで社会とつながる“GATE手帳”」は、自分自身のありたい姿を描く、意志力を磨くための手帳です。

▼GATE手帳の詳細はこちら▼

https://hatarakuba.com/wp-content/uploads/2017/03/01.jpghttps://hatarakuba.com/wp-content/uploads/2017/03/01-150x150.jpghatarakubaイベント・メディア情報一覧はたらくをデザインする5年先・10年先・20年先の近い未来。「第4次産業革命」とも叫ばれているAIの出現など変化の大きなこれからの時代、私たち一人ひとりの「はたらく」や社会における会社のあり方は、どのように変化していくのか。何が変わり、何が変わらないのだろうか。 弊社発行の「GATE手帳」を用いて、未来の「はたらく」の変化を見据えた「あなたの働き方改革」をテーマに、横浜市関内にてオーサートークを開催した。 「持つだけで社会とつながるGATE手帳」 長年、横浜市役所ではたらき、現在は一般社団法人永続的成長企業ネットワークの代表、吉田氏は、「地域を愛し、地域から愛される企業」が、永続的成長企業として、これからの変化の激しい時代を生き残っていくのではないかと述べている。横浜は、地域貢献企業政策の先駆けとして、全国的にもいち早く企業と行政が連携して、「経営から見る地域」という、経営資源の一部としての「地域」という関わり方ではなく、「地域を企業から見る」という共生を目指し、取り組んできた。地域貢献企業政策に行政の立場から深くかかわってきた吉田代表は、地域と共に生きる企業とは、地域から愛され地域に必要とされる、永続的成長企業のことだという。 創業から20年後の企業存続率が0.2%、要するに、1000社のうち2社しか残らないという、人間よりも企業の方が寿命が短い時代。吉田代表いわく、創業から20年経つと地域企業から地域貢献企業へと変化し、50年経つと地域に必要とされる永続的成長企業へと変化する。また、創業から100年経つと、「地域が最も誇りに思う」永続企業へと変化する切符(権利)を手に入れるのだという。 大阪にある株式会社金剛組は西暦578年に創業した、世界で最も旧い会社として知られている。実は、バブル崩壊時に倒産の危機にあったらしく、その際に地域の方々がつぶすまいと奮起し、今も存続しているという経緯がある。まさに、永続企業ならではのエピソード。その背景には、地域に対して、謙虚な姿勢で接し、地域のおかげで存在しているという感謝の気持ちを持ち続けている、その心構えがある。 吉田代表は、「謙虚」と「感謝」、まさにこの2つが、これからの未来に向けて、永続企業から学ぶべき、私たち自身のあり方、そして会社のあり方なのだという。 第二部は、吉田代表とNPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ代表の杉浦氏、弊社代表の矢萩を加え、弊社金野がファシリテーターを務めて、パネルディスカッションを実施。 AIの出現など、まさに第4次産業革命といえるような、大きな変化が予測される中で、パネラーはみな共通して、「働き方変革」の必要性を強く感じている。 それぞれの視点から、来たる未来の「はたらく」について、意見を交わし、会場でもそれぞれのグループで活発に意見を交換した。 AIにおいて代表的なもので、「ディープラーニング」という機械学習がある。身近なものでいうと、アマゾンのユーザーごとの「おすすめ商品」を顧客の行動や興味関心から欲しい予測する機能は、ディープラーニングを活用している。 ペッパーくんが道案内をし、お客様のお問合せにワトソンが答える。まちを見渡したり、一日を振り返ってみると、もはやAIは私たちの生活に浸透しているといえる。 吉田代表は、AIが汎用化することによって、行政のおよそ2/3の仕事がなくなるのではないかと予測する。その予測への対策の動きは既に始まっていて、例えば2017年4月1日から、神戸市では公務員の副業が認められ、NPOや地域企業で、給料をもらってはたらくことができるようになる。 これまでは、市民活動に参加することはできても、給料をもらって活動するとなると非常に難しかった。しかし、地域、そして地域市民にとってこれからの「公務員」とはどのような存在であるべきなのかを改めて自己認識し、再設定した。 5年前・10年前・20年前と振り返った時に、変わるものはとことん変わった。しかし、変わらなかったもの、それは血の通った地域の交流ではないだろうか。役所はダメだと役所批判をされてきたが、最近、ようやく神戸市の決断のように、再び地域の中の公務員であるという交流を再び取り戻してきている。まさに、この「地域との血の通った交流」が、これからの時代の地域社会に必要とされる働き方なのでないだろうか。 また、杉浦代表は、これからの時代のキーワードとして「即興(Improvisation)」を掲げた。 これまでは、自分の好き嫌い、良い悪いなど、自分自身の価値観やモノサシで測てモノゴトを断定したり、行動を起こせずにいることが多かった。しかし、これからの変化が大きくてより速い時代では、まずは自分の狭い価値観は置いておいて、即興的にすぐ行動に起こしてみたり、カタチにしてみるという思考が求められる。その即興の中で、誰と、何を生み出すのか、どのようなイノベーションを起こすのか。その前提として、描いている絵(ビジョン)があり、そこに向かっていく仲間とイメージをシェアしながら進めていくことが、いろいろな主体が関わるこれからの多様な地域社会において重要になる。 矢萩は、日本は東京オリンピックの開催される2020年までにGDP600兆円を目指しているが、そのうちの30兆円、つまり5%をAI関連事業によって生み出そうとしていて、それは、労働力人口の5%がAIにとって代わられる危険性があるともいえるのではないかという。 例えば、現在全国に37万人のタクシードライバーがいるが、自動運転システムが一般化することで、この37万人は職を失ってしまう。その中でも、例えば、東京のあるタクシー会社では、「3億円事件ツアー」など、ユニークな企画をたくさん生み出すことで、単なるタクシー会社の枠を超えた。これまでのように「doing」(何をするのか)ではなく、「to be」(どのように在るか)が大切になってくると。つまり、自分・会社のあり方を確立することが大切で、一人ひとりの内面を育てていく試みを企業、地域をあげてやっていくことが必要だ。 また、これからは一つの企業ではたらくのではなく、神戸市の公務員のように、副業を奨励する流れへと変化していくという。国の動きは、企業に対して、パートやアルバイトではたらいている人を、どうにかして生計が立てられるようにしなければならいないと義務付ける方向に向かっている。多様な人財に対して賃金がフラット化していく中で、「ダブルインカム」という考え方が一般的になってきて、いまでは、IT業界を中心に、あえて副業の人を募集する企業まで出てきているという。 また、地銀64行の連携で「地銀人材バンク」が昨年実現した。地銀人材バンクとは、連携している地銀同士であれば、どこの銀行へでも転職することができるという制度で、これまでは結婚して遠くに引っ越したり、親の介護のために地元に帰ったりする場合は、その銀行を辞めざるを得なかったのが、引っ越し先でも銀行員として働き続けたいという希望があれば、それを後押して、働き続けることができるようになったのだ。 矢萩は、最後に、「これからの変化が激しい時代、‟意志力“をどのようにつくっていくのかが重要になってくる」とまとめた。いろんな経験を重ねていき、いろんな人と対話をすることで、自分が好きなAというモノをみんなが好きだというわけではないということや、Aが好きだというのは自分のこだわりだということに気付く。そういうことは自分一人だとわからなくて、仲間がいないと気付いていけない。いろんな人の視点を借りて、内面の見える化を促しながら、徐々「自分は何者なのか」ということを明らかにしていくことで、「感情」と「腹」と「気」の方向が一本になり、その時はじめて強い力を発揮することができる。 変化が激しいこれからの世の中だからこそ、ブレない軸としての「意志力」を持つことが必要になってくる。 今回のオーサートークのテーマ本「持つだけで社会とつながる“GATE手帳”」は、自分自身のありたい姿を描く、意志力を磨くための手帳です。 ▼GATE手帳の詳細はこちら▼下町の農と食で地域をつなぐ